ボルダリングの難易度を決定する大きな要素はホールドです。しかし、難易度に影響を及ぼすのはホールドだけではありません。
例えば「傾斜」。トレッドミルでのランニングは平坦より坂道モードの方が辛いように、ボルダリングも垂直壁より手前に傾いた傾斜壁の方が課題の難易度が上がります。強すぎる傾斜は上級者でもカンタンには攻略できないほど、高いハードルです。
多くの場合、傾斜は課題の難易度を上げるために設けられています。
しかし、全ての傾斜が課題の難易度を上げるためだけに儲けられているとは限りません。
中には課題の難易度を易しくするために傾斜が付いている場合もあります。
それは「スラブ」です。スラブは向かって奥側に傾いているため、体重を預けながらクライミングできます。
クライミングに自信のない初心者は、ジム選びの際にスラブのある施設を選ぶと良いでしょう。
スラブの例から分かるように、一口に傾斜と言われても意味合いが異なります。
一般的な傾斜として挙げられるのは、「スラブ」「かぶり壁」「ルーフ」の3つです。
スラブは前述の通り、奥側に傾いています。一方、かぶり壁は手前側に傾いている上級者向けの壁です。
最後のルーフはかぶり壁の中でも最も傾斜が強い壁で、最大180度程度傾いています。
上級者ほど強い傾斜を好む傾向にあるようです。
難しいとはいえ、ボルダリングに慣れてくると傾斜に挑戦してみたくなるものです。
そこで、初めて傾斜のある壁に挑戦する際に1つだけ準備しておくことがあります。
それは「ダイアゴナル」というテクニックへの理解です。
ダイアゴナルとは“斜め移動”のことで、うまく使うと移動の際の負担を軽減してくれます。
傾斜のある壁はただでさえ体力消耗が著しいため、ダイアゴナルのようなテクニックを存分に活用しましょう。
傾斜があると難易度がグッと上がりますが、コツを抑えれば効率的に攻略できます。
基本的なコツを確認して、上級者に一歩近づくクライミングをしましょう。
基本的な話ですが、傾斜の強い壁においてはホールドへのアプローチが重要視されます。
腕力だけに頼らず、しっかりとつま先でホールドをキャッチして負担を軽減しましょう。
傾斜に留まり続けると筋肉が張り詰めてしまうため、次の行動に移れなくなってしまいます。
しっかりとゴールまで登り切れるように、傾斜をスムーズに駆け上がるためのオブザベーションを入念に行いましょう。
傾斜は上級者向けの壁ですが、慣れていれば中級者でも好んで登る場面が見受けられます。
人によっては180度近い傾斜がなければ、傾斜ではないと言う人もいるほどです。
自分の登り方を追求するためにも、傾斜に対してアプローチしてみてはいかがでしょうか。